給湯器の交換を検討していると、「補助金が使えるらしい」という話を耳にすることがあるのではないでしょうか。
2026年は、経済産業省の「給湯省エネ2026事業」で高効率給湯器の設置が補助対象になっています。補助額は給湯器の種類によって異なり、1台あたり7万~17万円が基本額として設定されています。
ここで迷いやすいのが、「どの給湯器を選べばよいのか」という点です。補助額が最も大きい機種が、必ずしもすべての家庭に適しているとは限りません。電気を使うタイプ、ガスを使うタイプ、その両方を組み合わせたタイプがあり、光熱費の考え方や設置スペースの条件も異なります。
この記事では、補助対象となる給湯器の種類ごとに補助額と特徴を整理し、選ぶときの判断材料をまとめます。申請の流れや注意点もあわせて解説します。
記事内の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく参考情報です。制度の要件や補助額、受付状況は変更される場合があります。契約や着工の前に、必ず住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトで最新情報をご確認ください。
給湯器の補助金は種類によって7万~17万円

給湯省エネ2026事業では、給湯器の種類ごとに補助額が定められています。基本額に加えて、より高い性能を満たす製品には加算が設けられています。
| 給湯器の種類 | 基本額 | 性能加算 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| エコキュート | 7万円/台 | 3万円/台 | 最大10万円 |
| ハイブリッド給湯機 | 10万円/台 | 2万円/台 | 最大12万円 |
| エネファーム | 17万円/台 | — | 17万円 |
上の表の「合計の目安」は、基本額と性能加算を合わせた金額です。これに加えて、既存設備を撤去する場合の加算(後述)が付くケースもあります。
基本額だけを比べると、エネファームが最も高く設定されています。ただし、機器本体の価格や設置条件、光熱費の考え方は種類によって大きく異なります。
補助額の大きさだけで判断せず、住まいの条件や普段の使い方に合うかどうかを含めて検討することが大切です。
給湯器の種類別に見る特徴と補助額

補助対象となる3種類の給湯器について、仕組みと特徴を整理します。
エコキュート(基本額7万円)
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯をつくる電気式の給湯器です。ヒートポンプユニットと貯湯タンクで構成され、あらかじめお湯を沸かしてタンクに貯めておく仕組みになっています。
- ガスを使わない
オール電化住宅との相性がよいタイプです。 - 貯湯タンクの設置場所が必要
屋外にタンクを置くスペースを確保する必要があります。 - お湯の使用量に上限がある
タンクの容量を超えると湯切れが起こる可能性があります。
給湯省エネ2026事業では、基本額7万円を受けるための要件として、省エネ性能の基準に加えて「翌日の天気予報や日射量予報に連動し、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能」を備えていることが求められます。太陽光発電の電力を活用する「おひさまエコキュート」は、この基準の扱いが異なるとされています。
そのうえで、さらに高い省エネ性能を満たす製品には3万円が加算されます。
ハイブリッド給湯機(基本額10万円)
ハイブリッド給湯機は、ヒートポンプとガス給湯器を組み合わせたタイプです。通常はヒートポンプでお湯をつくり、大量にお湯を使う場面ではガスで補う仕組みになっています。
- 湯切れが起こりにくい
使用量が増えてもガスで補えるため、お湯が足りなくなりにくいタイプです。 - ガス設備が必要
都市ガスやプロパンガスの契約が前提となります。 - 設置スペースを確認する
ヒートポンプユニットと貯湯タンクの設置場所が必要です。
基本額は10万円で、性能要件を満たす製品には2万円が加算されます。ガスを使いながら電気の効率も活かしたい家庭に向いたタイプです。
エネファーム(基本額17万円)
エネファームは、ガスから水素を取り出して発電し、その際に発生する熱でお湯をつくる家庭用燃料電池です。給湯と発電を同時に行う点が、ほかの2種類と大きく異なります。
- 発電しながらお湯をつくる
家庭で使う電気の一部をまかなえる可能性があります。 - 機器本体の価格が高い傾向
初期費用はほかのタイプより高くなる傾向があります。 - 設置スペースと条件を確認する
発電ユニットと貯湯ユニットの設置場所が必要です。
補助額は3種類のなかで最も高い17万円ですが、性能加算は設定されていません。発電機能まで含めて検討したい家庭に向いたタイプといえます。
どの給湯器を選ぶ?判断のポイント

種類ごとの特徴を踏まえて、選ぶときの判断材料を整理します。
| 住まいの条件 | 検討しやすいタイプ |
|---|---|
| オール電化住宅である | エコキュート |
| ガスを使い続けたい | ハイブリッド給湯機/エネファーム |
| 家族が多くお湯の使用量が多い | ハイブリッド給湯機 |
| 電気もつくりたい | エネファーム |
| 設置スペースが限られている | 設置条件を事前に要確認 |
| 初期費用を抑えたい | 補助額を含めた総額で比較 |
判断のうえで見落としやすいのが、補助額と本体価格は連動しないという点です。補助額が17万円のエネファームでも、本体価格が高ければ実質的な負担はほかのタイプより大きくなることがあります。
次のような観点で、総額を比較してみましょう。
- 本体価格と工事費の合計
機器代だけでなく、設置工事や配管・電気工事を含めた金額を確認します。 - 補助額を差し引いた実質負担
性能加算の対象になるかどうかで金額が変わります。 - 毎月の光熱費の見込み
契約している電気・ガスの料金プランによって変わります。 - 設置スペースの確保
タンクやユニットを置く場所があるかを事前に確認します。
撤去加算と設置台数の上限

給湯省エネ2026事業では、既存の設備を撤去する場合に加算が設けられています。
| 撤去する設備 | 加算額 |
|---|---|
| 電気蓄熱暖房機 | 4万円/台 |
| 電気温水器 | 2万円/台 |
古い電気温水器から高効率給湯器へ交換する場合は、基本額に加えてこの加算を受けられる可能性があります。撤去する設備がある場合は、見積もりの段階で施工会社へ伝えておきましょう。
撤去加算にも台数の上限があります。電気蓄熱暖房機は2台まで、電気温水器は高効率給湯器で補助を受ける台数までとされています。
さらに、撤去加算には本体とは別の予算が設定されています。公表されている内容では36億円を目途に実施し、予算額に達し次第終了する予定とされています。公式サイトでは本体と撤去加算それぞれの予算消化状況が公開されているため、撤去加算の利用を考えている場合は、あわせて確認しておきましょう。
設置台数の上限は、戸建住宅で2台まで、共同住宅などで1台までとされています。二世帯住宅などで複数台を設置する場合は、上限の範囲内かを確認しておく必要があります。
補助金を受け取るまでの流れ

給湯省エネ2026事業では、補助金の申請手続きを登録事業者が行います。工事を依頼する側が直接申請することはできません。
- 施工会社へ相談する
給湯器の交換を検討していることと、補助金を利用したい旨を伝えます。 - 登録事業者かどうかを確認する
給湯省エネ事業者として登録を受けた事業者でなければ、申請手続きができません。 - 機種と補助額を確認する
設置予定の製品が対象製品か、性能加算が付くかを確認します。 - 契約・着工する
着工日が対象期間に入っているかを確認したうえで工事を進めます。 - 事業者が申請を行う
必要書類を揃えて、施工会社が交付申請を行います。 - 補助金が還元される
工事代金からの値引きや後日の振込など、施工会社の方法に応じて還元されます。
申請の受付は2026年3月31日に開始されており、交付申請の期間は予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日までとされています。着工日に応じて利用できる予約の仕組みもあり、予約の受付は遅くとも2026年11月16日までとされています。
おうち職人では、希望する工事内容を入力して、対応できる職人へ匿名で見積もりを依頼できます。給湯器の種類で迷っている場合は、住まいの条件を伝えたうえで相談してみてください。給湯器の交換とあわせて浴室の改修も考えているなら、浴室リフォームの費用相場も確認しておくと、全体の予算を立てやすくなります。
給湯器の補助金で注意したいポイント

要件を満たしているつもりでも、条件を1つ満たさないだけで対象外になることがあります。次の点は事前に確認しておきましょう。
着工日が対象期間内である必要がある
給湯省エネ2026事業では、2025年11月28日以降に着工した工事が対象とされています。この日付より前に工事を始めていた場合、同じ機種を設置していても補助の対象になりません。
給湯器は故障してから慌てて交換するケースも多い設備です。ただし、補助金の利用を考えている場合は、契約前に対象期間を確認しておくことが大切です。
予算の上限に達すると受付が終了する
この事業には570億円の予算が計上されています。期限は2026年12月31日までとされていますが、これは「その日まで必ず受け付けている」という意味ではありません。
申請額が予算の上限に達した時点で受付は終了します。交換の時期に幅がある場合は、早めに動くほうが確実です。
対象製品として登録された機種であること
同じ種類の給湯器でも、すべての製品が補助対象になるわけではありません。機種ごとに性能要件が定められており、対象製品として登録されたものが補助の対象となります。
- 型番単位で確認する
カタログの機種名だけでなく、設置予定の型番で確認します。 - 性能加算の対象か確認する
加算の有無で2万~3万円の差が生まれます。 - 在庫と納期を確認する
対象製品に人気が集中し、納期がかかる場合があります。
ほかの制度との併用にはルールがある
住宅省エネ2026キャンペーンには複数の事業があり、対象となる工事がそれぞれ異なります。給湯器の交換はこの事業、窓の断熱改修は窓リノベ事業、というように工事の内容ごとに申請先が分かれる形です。
ただし、同一の設備に対して国の補助を重複して受けることはできません。
また、新築住宅の場合はみらいエコ住宅2026事業と給湯省エネ2026事業を併用できないとされています。リフォームで複数の工事を行う場合の申請方法については、公式サイトで詳細を今後公表するとされている部分もあります。複数の工事をまとめて計画している場合は、最新の扱いを施工会社に確認しておきましょう。
給湯器の補助金に関するよくある質問

ガス給湯器(エコジョーズ)は対象になりますか?
給湯省エネ2026事業で補助対象とされているのは、エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームの3種類です。
ただし、高効率給湯器はみらいエコ住宅2026事業の対象設備にも含まれています。設置する機器や工事の組み合わせによって利用できる制度が変わるため、施工会社へ確認しましょう。
補助額が一番大きい機種を選べば得ですか?
必ずしもそうとは限りません。補助額と本体価格は連動していないため、補助額が大きくても実質的な負担が小さくなるとは限らないためです。
本体価格、工事費、補助額、毎月の光熱費を含めた総額で比較することをおすすめします。
自分で申請することはできますか?
できません。給湯省エネ2026事業では、登録を受けた事業者が申請手続きと補助金の受け取りを行い、そこから利用者へ還元される仕組みになっています。
故障して急いで交換する場合も対象になりますか?
着工日が2025年11月28日以降であるなど、対象期間の条件を満たしていれば対象になる可能性があります。
ただし、依頼先が登録事業者でない場合や、設置する機種が対象製品でない場合は補助を受けられません。急ぎの場合でも、契約前に条件を確認しておきましょう。
2台設置する場合は補助も2台分ですか?
戸建住宅では2台まで、共同住宅などでは1台までが上限とされています。上限の範囲内であれば、台数に応じた補助を受けられる仕組みです。
賃貸住宅でも使えますか?
給湯省エネ2026事業では、補助対象者が「工事発注者等」とされており、対象となる用途にも持家・貸家・借家等が含まれています。共同住宅も対象ですが、設置できる台数の上限が戸建住宅と異なり、戸建住宅は2台まで、共同住宅などは1台までです。
ただし、賃貸住宅の設備を交換する場合は、実務上オーナーや管理会社への相談が必要になります。まずは相談したうえで進めましょう。
なお、賃貸集合住宅を対象とした別の事業もあります。そちらは申請できるのが住宅の所有者に限られるなど、条件が異なります。
給湯器の補助金のまとめ
2026年の給湯器交換では、給湯省エネ2026事業を利用できます。補助額は種類によって異なります。
- エコキュート
基本額7万円、性能加算3万円で最大10万円です。 - ハイブリッド給湯機
基本額10万円、性能加算2万円で最大12万円です。 - エネファーム
基本額17万円で、性能加算は設定されていません。 - 撤去加算
電気温水器の撤去で2万円、電気蓄熱暖房機の撤去で4万円が加算されます。
機種を選ぶときは、補助額の大きさだけでなく、住まいがオール電化かガス併用か、お湯の使用量はどのくらいか、設置スペースを確保できるかといった条件をあわせて検討することが大切です。
また、着工日が2025年11月28日以降であること、給湯省エネ事業者として登録を受けた施工会社へ依頼することが前提になります。予算の上限に達した時点で受付が終了する点にも注意しましょう。
制度の要件や補助額は変更される場合があります。契約・着工の前に、給湯省エネ2026事業の公式サイトで最新情報を確認してください。
おうち職人なら、工事内容や希望条件を入力して、対応できる職人へ見積もりを依頼できます。相談・見積もり依頼は無料で、氏名などのプロフィール情報を最初から公開せず、匿名で相談を始められます。給湯器の種類選びから相談したい場合も、お気軽にご利用ください。
記事内の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく参考情報です。制度の要件や補助額、受付状況は変更される場合があります。契約や着工の前に、必ず住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトで最新情報をご確認ください。
