キッチンや浴室の入れ替え、窓の断熱改修、給湯器の交換。リフォームを検討していると、「補助金が使えるらしい」という話を耳にすることがあるのではないでしょうか。
2026年は、国が実施する複数の補助制度が動いています。省エネ性能を高めるリフォームを対象にしたものが中心で、条件を満たせば1戸あたり最大100万円程度の補助を受けられる事業もあります。介護を目的とした改修であれば、介護保険の住宅改修制度を利用できる場合もあります。
ただし、どの制度も「対象になる工事」「対象になる住宅」「申請できる時期」が細かく決まっています。工事を始めてから制度を知っても、条件を満たせず補助を受けられないケースは少なくありません。
この記事では、2026年のリフォームで利用できる主な補助制度を、対象工事・補助額・申請の流れに分けて整理します。制度を選ぶときの考え方や、利用前に確認しておきたい注意点もまとめました。
記事内の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく参考情報です。制度の要件や補助額、受付状況は変更される場合があります。契約や着工の前に、必ず住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトおよび厚生労働省の福祉用具・住宅改修のページ、お住まいの市区町村の窓口等で最新情報をご確認ください。
2026年に使えるリフォーム補助金の全体像

2026年にリフォームで活用できる主な国の補助制度は、次のとおりです。
| 制度名 | 所管 | 主な対象工事 | 補助上限の目安 |
|---|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 国土交通省 | 断熱改修、エコ住宅設備の設置など | 1戸あたり40万~100万円 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 環境省 | 内窓設置、窓交換、ガラス交換 | 1戸あたり100万円 |
| 給湯省エネ2026事業 | 経済産業省 | 高効率給湯器への交換 | 1台あたり7万~17万円 |
| 介護保険の住宅改修 | 市区町村 | 手すり設置、段差解消など | 20万円(給付は最大18万円) |
| 自治体独自の補助制度 | 都道府県・市区町村 | 耐震改修、リフォーム全般など | 自治体ごとに設定 |
このうち、上の3つは「住宅省エネ2026キャンペーン」としてまとめて実施されている事業です。同キャンペーンは、この3事業に賃貸集合住宅向けの給湯器交換を対象とした事業を加えた4事業で構成されています。窓・給湯器・断熱をそれぞれ担当する省庁が異なり、対象となる工事も事業ごとに分かれています。
なお、国の補助制度は年度ごとに実施の有無が見直されます。前年度まで実施されていた事業が、翌年度は行われないこともあります。過去の情報をもとに計画を立てると、実際には利用できないケースもあるため注意しましょう。
また、いずれの制度も予算の上限に達すると受付が終了します。年度の終わりまで必ず利用できるとは限らない点にも注意してください。
持ち家のリフォームで中心となる3つの事業

住宅省エネ2026キャンペーンのうち、持ち家のリフォームで中心となるのが次の3事業です。それぞれ対象となる工事が異なります。
みらいエコ住宅2026事業
国土交通省が実施する事業で、断熱改修やエコ住宅設備の設置など、幅広いリフォーム工事が対象になります。
補助上限は住宅の新築時期と改修後の省エネ性能の組み合わせで決まり、1戸あたり40万~100万円とされています。
| 住宅の新築時期 | 義務基準相当 | 次世代省エネ基準相当 |
|---|---|---|
| ~平成3年 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年~平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
この事業で特に注意したいのが、設備の交換だけでは申請できないという点です。対象となるには、外皮に面する開口部のある居室で、次の組み合わせの工事を行う必要があるとされています。
- 義務基準相当の場合
開口部の断熱改修、躯体(床・壁・天井)の断熱改修、特定のエコ住宅設備の設置をあわせて実施します。 - 次世代省エネ基準相当の場合
開口部の断熱改修と、躯体の断熱改修をあわせて実施します。
いずれの場合も躯体の断熱改修が必ず含まれる点がポイントです。高効率給湯器や節水型トイレ、高断熱浴槽などのエコ住宅設備は、この要件を満たしたうえで追加できる工事という位置づけになります。「トイレだけを交換して補助を受ける」といった使い方はできません。
対象となる住宅は、原則として平成28年12月31日以前に新築されたことが、不動産登記の登記事項証明書で確認できる住宅とされています。判定の基準は建築確認の日付ではなく、登記上の新築時期です。
また、1回の申請につき合計の補助額が5万円以上になる工事が必要とされています。ただし、キャンペーンの他の事業ですでに交付決定を受けている場合は、下限が2万円以上に緩和されるとされています。窓の断熱改修などとあわせて実施する場合は、この緩和規定を確認しておきましょう。
先進的窓リノベ2026事業
環境省が実施する事業で、既存住宅の窓を断熱性能の高い仕様へ改修する工事が対象です。ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法・はつり工法)、ドア交換(同)が対象とされ、補助上限は1戸あたり100万円です。ドア交換については、窓の工事と同一の契約で同時に申請する場合のみ対象とされています。
この事業にも、1回の申請につき合計の補助額が5万円以上という要件があります。
ここで注意したいのが、2025年の事業から要件が変更されている点です。
- 補助上限の変更
1戸あたりの上限が200万円から100万円へ引き下げられています。 - 内窓の性能要件
内窓の性能区分はUw値1.1以下と1.5以下の2つとされており、以前の事業より要件が引き上げられています。
同じ「内窓の設置」でも、選ぶ製品によって補助を受けられるかどうかが変わります。見積もりの段階で、設置予定の製品が対象製品として登録されているかを施工会社に確認しておきましょう。
給湯省エネ2026事業
経済産業省が実施する事業で、高効率給湯器への交換が対象です。給湯器の種類ごとに補助額が定められています。
| 設備の種類 | 基本の補助額 | 性能加算 |
|---|---|---|
| エコキュート | 7万円/台 | 3万円/台 |
| ハイブリッド給湯機 | 10万円/台 | 2万円/台 |
| エネファーム | 17万円/台 | — |
さらに、古い設備を撤去する場合には加算があります。電気蓄熱暖房機の撤去で4万円、電気温水器の撤去で2万円が加算されるとされています。
台数の上限は戸建住宅で2台まで、共同住宅などで1台までです。また、対象となるのは2025年11月28日以降に着工した工事とされています。予算は570億円が計上されており、申請の受付は予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日までとされています。
工事内容から見る対象制度の選び方

制度が複数あるため、「自分の工事はどれに当てはまるのか」が分かりにくいかもしれません。工事内容から逆算すると整理しやすくなります。
| 検討している工事 | 確認したい制度 |
|---|---|
| 内窓を付けたい・窓を替えたい | 先進的窓リノベ2026事業 |
| 給湯器を交換したい | 給湯省エネ2026事業 |
| 壁や床の断熱をしたい | みらいエコ住宅2026事業(開口部の断熱改修とセットで実施) |
| 節水型トイレや高断熱浴槽に替えたい | みらいエコ住宅2026事業(断熱改修とセットの場合のみ) |
| 手すりの設置や段差の解消をしたい | 介護保険の住宅改修 |
| 耐震改修を行いたい | 自治体独自の補助制度 |
複数の工事をまとめて行う場合は、それぞれの工事に対して別の制度を利用できることがあります。たとえば、窓の断熱改修は窓リノベ事業、給湯器の交換は給湯省エネ事業、というように工事の内容ごとに申請先が分かれます。
ただし、同じ設備に対して国の補助を重複して受けることはできません。どの工事にどの制度を充てるのが有利かは、工事の組み合わせによって変わります。
介護・バリアフリー工事で使える介護保険の住宅改修

省エネ性能とは関係なく、身体状況に応じた改修を行う場合は、介護保険の住宅改修制度を利用できる可能性があります。
要支援・要介護の認定を受けている人が対象で、支給限度基準額は要介護度にかかわらず20万円です。このうち所得に応じて7~9割が支給されるため、給付額は最大18万円となります。
対象となる工事は、次の6種類とされています。
- 手すりの取り付け
廊下、浴室、トイレ、玄関などに転倒防止や移動補助のための手すりを設置する工事です。 - 段差の解消
居室と廊下の段差、玄関の上がり框(かまち)などを解消する工事です。 - 床材の変更
滑りにくい床材へ変更し、転倒を防ぎやすくする工事です。 - 扉の取り替え
開き戸を引き戸へ変更するなど、開閉しやすい扉へ交換する工事です。 - 便器の取り替え
和式便器を洋式便器へ変更するなど、立ち座りの負担を軽減する工事です。 - これらに付帯する工事
上記の工事に伴って必要となる下地補強や給排水工事などが含まれます。
この制度で特に重要なのが、工事の着工前に申請が必要という点です。ケアマネジャーへ相談したうえで市区町村へ事前申請を行う必要があり、申請前に着工した工事は給付の対象外となります。
なお、要介護区分が3段階以上重くなった場合や、別の住宅へ転居した場合には、再度20万円までの支給を申請できるとされています。
自治体独自の補助制度もあわせて確認する

国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自の補助制度を設けている場合があります。国の事業では対象外となる工事でも、自治体の制度なら利用できるケースがあります。
- 耐震改修への補助
旧耐震基準の住宅を対象に、診断や改修工事の費用を補助する制度が設けられていることがあります。 - リフォーム全般への補助
地域の施工業者を利用することを条件に、工事費の一部を補助する制度もあります。 - 子育て世帯・移住者向けの支援
世帯の状況や居住年数などに応じた補助が用意されている場合があります。 - 空き家の活用に関する補助
空き家の改修や解体に対する制度を設けている自治体もあります。
制度の内容、対象となる工事、補助額、申請時期は自治体ごとに大きく異なります。予算の規模が国の事業より小さいことも多く、受付開始から短期間で終了する場合もあります。
お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで、利用できる制度がないか確認してみましょう。国の制度と併用できるかどうかも、あわせて確認しておくと安心です。
補助金を受け取るまでの流れ

制度によって細部は異なりますが、住宅省エネ2026キャンペーンの各事業は、おおむね次の流れで進みます。
- 施工会社へ相談する
希望する工事内容を伝え、補助制度の対象になるかを確認します。 - 登録事業者かどうかを確認する
各事業に登録している事業者でなければ、補助金の申請手続きができません。 - 見積もりと製品を確認する
設置予定の製品が対象製品として登録されているか、補助額はいくらになるかを確認します。 - 契約・着工する
着工日が対象期間内に入っているかを確認したうえで工事を進めます。 - 事業者が交付申請を行う
工事完了後、施工会社が必要書類を揃えて申請します。 - 補助金が還元される
交付決定後、工事代金からの値引きや振込などの形で還元されます。
ここで押さえておきたいのが、申請の主体です。住宅省エネ2026キャンペーンの各事業では、補助金の申請手続きと受け取り、そして消費者への還元は登録事業者が行う仕組みになっています。先進的窓リノベ2026事業の公式サイトでも、補助対象者である一般消費者が直接申請することはできないと明記されています。
つまり、補助金を使いたい場合は制度に登録している施工会社へ依頼することが前提になります。設備や工事内容が条件を満たしていても、依頼先が未登録であれば補助を受けられません。
おうち職人では、希望する工事内容を入力して、対応できる職人へ匿名で見積もりを依頼できます。補助制度を利用したい場合は、相談の段階でその旨を伝えておくとスムーズです。工事全体の費用感をつかんでおきたいときは、戸建てリフォームの費用相場もあわせて確認しておくと、補助金を差し引いた実際の負担額をイメージしやすくなります。
リフォーム補助金を利用する前に確認したい注意点

補助制度は要件が細かく、条件を1つ満たさないだけで対象外になることがあります。特に次の4点は事前に確認しておきましょう。
予算に達すると受付が終了する
各事業には予算が設定されており、申請額が予算の上限に達した時点で受付が締め切られます。給湯省エネ2026事業であれば、遅くとも2026年12月31日までとされていますが、これは「それまで必ず受け付けている」という意味ではありません。
各事業の公式サイトでは、予算に対する申請額の割合が公開されています。2026年7月時点では、いずれの事業もまだ余裕がある状況ですが、消化のペースは事業によって異なります。利用を検討している場合は、最新の状況を確認しながら計画を進めましょう。
着工日と申請期間の条件がある
多くの制度では、対象となる工事の着工日が定められています。給湯省エネ2026事業では、2025年11月28日以降に着工した工事が対象とされています。
この日付より前に着工していた場合、同じ工事内容でも補助の対象になりません。「工事を始めてから補助金の存在を知った」という状況を避けるためにも、契約前に対象期間を確認しておきましょう。
登録事業者でなければ申請できない
前述のとおり、住宅省エネ2026キャンペーンの各事業では、登録事業者が申請を代行します。施工会社を選ぶ段階で、次の点を確認しておくと安心です。
- 制度への登録状況
利用したい事業の登録事業者になっているかを確認します。 - 申請の実績
同じ制度での申請経験があるかを聞いておくと進行がスムーズです。 - 還元の方法とタイミング
工事代金からの値引きになるのか、後日振り込まれるのかを確認します。 - 不交付になった場合の扱い
万が一補助金が交付されなかった場合の支払いについて確認します。
制度の併用にはルールがある
住宅省エネ2026キャンペーンには複数の事業があり、対象となる工事がそれぞれ異なります。窓の断熱改修は窓リノベ事業、給湯器の交換は給湯省エネ事業、というように工事の内容ごとに申請先が分かれる形です。
一方で、同一の設備に対して国の補助を重複して受けることはできません。また、複数の工事をまとめて行う場合の申請方法については、公式サイトで詳細を今後公表するとされている部分もあります。まとめて計画している場合は、最新の扱いを施工会社に確認しておきましょう。
また、国の制度と自治体独自の補助制度を併用できるかどうかは、自治体によって扱いが異なります。お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで、併用の可否を確認しておきましょう。
リフォーム補助金に関するよくある質問

補助金の申請は自分でできますか?
住宅省エネ2026キャンペーンの各事業では、登録事業者が申請を行う仕組みになっており、一般消費者が直接申請することはできません。
一方、介護保険の住宅改修は市区町村への申請となり、ケアマネジャーや施工会社のサポートを受けながら手続きを進めるのが一般的です。
工事を始めてからでも申請できますか?
制度によって異なりますが、着工日の条件が定められている事業が多く、対象期間より前に着工した工事は対象外になります。
介護保険の住宅改修については、着工前の事前申請が必須とされており、申請前に着工した工事は給付を受けられません。いずれの場合も、契約前の確認が重要です。
複数の補助金を同時に使えますか?
住宅省エネ2026キャンペーンの各事業は、対象となる工事がそれぞれ異なります。たとえば窓の断熱改修は窓リノベ事業、給湯器の交換は給湯省エネ事業、というように工事の内容ごとに申請先が分かれます。
ただし、同一の設備に対して国の補助を重複して受けることはできません。また、複数の工事をまとめて行う場合の申請方法については、公式サイトで詳細を今後公表するとされている部分もあるため、施工会社に確認しておくと安心です。
賃貸住宅やマンションでも使えますか?
制度ごとに対象となる住宅の条件が定められています。住宅省エネ2026キャンペーンの各事業では、補助の対象となる住宅の用途に持家だけでなく貸家・借家等も含まれており、賃貸住宅が対象になる場合があります。ただし共同住宅では、補助の上限台数が戸建住宅と異なることがあります。
また、賃貸集合住宅の給湯器交換については、住宅の所有者側が申請する専用の事業が設けられています。
介護保険の住宅改修についても、賃貸住宅で利用できるとされています。ただし、住宅の所有者が本人でない場合は、所有者の承諾書を提出する必要があります。
いずれの場合も、賃貸住宅では実務上オーナーや管理会社への相談が必要になります。分譲マンションの専有部分の工事では、あわせて管理規約の確認も行いましょう。
補助金はいつ受け取れますか?
住宅省エネ2026キャンペーンの各事業では、登録事業者が申請と受け取りを行い、そこから消費者へ還元される仕組みです。工事代金からの値引きという形で反映されることもあります。
還元の方法と時期は施工会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。
対象になるか分からない工事はどうすればよいですか?
制度の要件は、設置する製品の型番単位で定められていることがあります。「窓を替えれば必ず対象になる」わけではなく、性能要件を満たす製品を選ぶ必要があります。
判断が難しい場合は、制度を扱っている施工会社へ工事内容を伝えて確認するのが確実です。
リフォーム補助金のまとめ
2026年のリフォームでは、住宅省エネ2026キャンペーンを中心に、複数の補助制度を利用できます。
- みらいエコ住宅2026事業
断熱改修やエコ住宅設備の設置が対象で、上限は1戸あたり40万~100万円です。 - 先進的窓リノベ2026事業
内窓設置や窓交換が対象で、上限は1戸あたり100万円です。 - 給湯省エネ2026事業
高効率給湯器の交換が対象で、1台あたり7万~17万円が基本額です。 - 介護保険の住宅改修
手すり設置や段差解消などが対象で、支給限度基準額は20万円です。
いずれの制度も、対象工事・対象製品・着工日・申請期間といった条件が細かく定められています。特に、住宅省エネ2026キャンペーンでは登録事業者による申請が前提となるため、依頼先の選び方が補助の可否に直結します。
また、予算の上限に達した時点で受付が終了する点にも注意が必要です。工事の時期を検討している場合は、余裕をもって情報を集めておくとよいでしょう。
制度の要件や補助額は変更される場合があります。契約・着工の前に、各事業の公式サイトや自治体の窓口で最新情報を確認してください。
おうち職人なら、工事内容や希望条件を入力して、対応できる職人へ見積もりを依頼できます。相談・見積もり依頼は無料で、氏名などのプロフィール情報を最初から公開せず、匿名で相談を始められます。補助制度の利用を検討している場合は、その旨を伝えたうえで相談してみてください。
記事内の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく参考情報です。制度の要件や補助額、受付状況は変更される場合があります。契約や着工の前に、必ず住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトおよび厚生労働省の福祉用具・住宅改修のページ、お住まいの市区町村の窓口等で最新情報をご確認ください。
