「窓からの冷気が気になる」「暖房をつけてもなかなか部屋が暖まらない」。こうした悩みへの対策として検討されるのが、内窓の設置です。
2026年は、環境省が実施する「先進的窓リノベ2026事業」で内窓の設置が補助対象になっています。窓の大きさと性能によって補助額が決まる仕組みで、戸建住宅の場合は1か所あたり2万2,000円~14万円が設定されています(集合住宅はこれより高い金額です)。
ただし、内窓であれば何でも対象になるわけではありません。2026年の事業では性能の区分が見直されており、一定の断熱性能を満たす製品でなければ補助を受けられません。設置場所についても細かい条件があります。
この記事では、内窓設置で利用できる補助金の金額と要件、申請の流れ、注意点を整理します。工事を依頼する前に確認しておきたい内容をまとめました。
記事内の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく参考情報です。制度の要件や補助額、受付状況は変更される場合があります。契約や着工の前に、必ず住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトで最新情報をご確認ください。
内窓の補助金は1か所2万2,000円~14万円

先進的窓リノベ2026事業では、設置する内窓の性能と窓の大きさの組み合わせで補助額が決まります。
環境省が公表している戸建住宅向けの補助額は次のとおりです。
| 性能区分 | 特大(4.0㎡以上) | 大(2.8~4.0㎡未満) | 中(1.6~2.8㎡未満) | 小(0.2~1.6㎡未満) |
|---|---|---|---|---|
| P(SS) | 140,000円 | 89,000円 | 58,000円 | 36,000円 |
| S | 76,000円 | 52,000円 | 34,000円 | 22,000円 |
上の表は戸建住宅および延床面積240㎡以下の非住宅の場合です。集合住宅や240㎡を超える非住宅では、これよりやや高い金額が設定されています。
補助額は製品ごとに計算され、その合計が交付される仕組みです。そのため、複数の窓をまとめて工事すると金額が積み上がります。リビングの大きな窓だけでなく、寝室や子ども部屋もあわせて検討すると効果的です。
性能区分「P(SS)」と「S」の違い

2026年の事業では、内窓の性能区分がP(SS)とSの2つに整理されています。区分の基準となるのが、窓の断熱性能を示すUw値です。
- P(SS)区分
Uw値1.1以下の製品が該当します。補助額が最も高く設定されている区分です。 - S区分
Uw値1.5以下の製品が該当します。P(SS)よりは補助額が下がります。
Uw値は、窓全体からどれだけ熱が逃げやすいかを示す数値です。値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを意味します。
ここで注意したいのが、従来より要件が厳しくなっている点です。以前の事業ではより緩やかな性能でも補助対象に含まれていましたが、2026年の事業ではUw値1.5以下が下限とされています。
同じ「内窓の設置」でも、選ぶ製品によって補助を受けられるかどうか、また受け取れる金額が変わります。見積もりの段階で、設置予定の製品がどの区分に該当するかを施工会社に確認しておきましょう。
補助の対象になる内窓工事の条件

補助の対象となるのは、次のいずれかに当てはまる工事です。
- 内窓の新設
既存の窓の内側に、新たに内窓を設置する工事です。 - 内窓の交換
既存の内窓を取り除き、新しい内窓へ交換する工事です。
設置場所についても条件があります。公表されている要件では、外皮部分に位置する既存の外窓(ドア)の開口面から、屋内側へ50cm以内に平行に設置するものに限られるとされています。
また、窓の大きさは面積で区分されます。最も小さい「小」の区分が0.2㎡以上1.6㎡未満とされているため、0.2㎡に満たない窓は区分に当てはまらず、補助額が算定されないことになります。
| サイズ区分 | 面積 |
|---|---|
| 特大(G) | 4.0㎡以上 |
| 大(L) | 2.8~4.0㎡未満 |
| 中(M) | 1.6~2.8㎡未満 |
| 小(S) | 0.2~1.6㎡未満 |
内窓以外の窓工事も対象になる

先進的窓リノベ2026事業では、内窓の設置以外にも次の工事が対象とされています。
- ガラス交換
既存のサッシを残したまま、ガラスのみを断熱性能の高いものへ交換する工事です。 - 外窓交換(カバー工法)
既存の窓枠を残し、その上から新しい窓を取り付ける工事です。 - 外窓交換(はつり工法)
既存の窓枠を撤去して、新しい窓を設置する工事です。 - ドア交換
玄関ドアなどを断熱性能の高いものへ交換する工事です(カバー工法・はつり工法)。ただし、窓の工事と同一の契約で、同時に申請する場合のみ対象とされています。
1戸あたりの補助上限は100万円とされており、複数の窓や工法を組み合わせて申請できます。予算に応じて、優先度の高い部屋から進める方法も検討できます。
内窓の設置は、既存の窓を残したまま施工できるため、外窓交換に比べて工事の負担が小さい傾向があります。一方で、窓を開けるときに二重の操作が必要になる点は、事前に理解しておきましょう。
補助金を受け取るまでの流れ

先進的窓リノベ2026事業では、補助金の申請手続きと受け取り、そして利用者への還元を「窓リノベ事業者」が行います。公式サイトでも、補助対象者である一般消費者が直接申請することはできないと明記されています。
- 施工会社へ相談する
内窓の設置を検討していることと、補助金を利用したい旨を伝えます。 - 登録事業者かどうかを確認する
窓リノベ事業者として登録を受けた事業者でなければ、申請手続きができません。 - 窓の採寸と製品の確認をする
窓の面積によって補助額が変わるため、採寸のうえで対象製品と金額を確認します。 - 契約・着工する
着工日が対象期間に入っているかを確認したうえで工事を進めます。 - 事業者が申請を行う
必要書類を揃えて、施工会社が交付申請を行います。 - 補助金が還元される
工事代金からの値引きや後日の振込など、施工会社の方法に応じて還元されます。
公式サイトでは、登録されている窓リノベ事業者や補助対象製品を検索できる仕組みも用意されています。依頼先を探すときの参考になります。
おうち職人では、希望する工事内容を入力して、対応できる職人へ匿名で見積もりを依頼できます。補助制度を利用したい場合は、相談の段階でその旨を伝えておくとスムーズです。窓の断熱とあわせて内装も見直す予定があるなら、リビング・ダイニングリフォームの費用相場も参考になります。
内窓の補助金で注意したいポイント

要件を満たしているつもりでも、条件を1つ満たさないだけで対象外になることがあります。次の点は事前に確認しておきましょう。
製品の性能によって金額が大きく変わる
同じ大きさの窓でも、P(SS)区分とS区分では補助額に差があります。たとえば特大サイズであれば14万円と7万6,000円で、6万円以上の開きがあります。
本体価格の安い製品を選んだ結果、補助額が下がって実質的な負担が大きくなることもあります。製品価格と補助額をあわせた総額で比較しましょう。
設置場所に条件がある
内窓は、既存の外窓から屋内側へ50cm以内に平行に設置するものが対象とされています。窓枠の形状や周囲の状況によっては、条件を満たす設置ができない場合があります。
特に、出窓や特殊な形状の窓では設置方法が限られることがあります。現地を確認したうえで判断してもらいましょう。
予算の上限に達すると受付が終了する
先進的窓リノベ2026事業の申請受付は、予算の上限に達するまでとされています。期限は設定されていますが、それまで必ず受け付けているとは限りません。
公式サイトでは補助金申請額の推移が公開されているため、予算の消化状況を確認しながら進めると安心です。
ほかの制度との併用にはルールがある
住宅省エネ2026キャンペーンには複数の事業があり、対象となる工事がそれぞれ異なります。窓の断熱改修はこの事業、給湯器の交換は給湯省エネ事業、というように工事の内容ごとに申請先が分かれる形です。ただし、同一の窓に対して国の補助を重複して受けることはできません。
また、新築住宅の場合はみらいエコ住宅2026事業と給湯省エネ2026事業を併用できないとされています。複数の工事をまとめて行う場合の申請方法については、公式サイトで詳細を今後公表するとされている部分もあるため、施工会社に確認しておきましょう。
内窓の補助金に関するよくある質問

マンションでも内窓を設置できますか?
集合住宅も補助の対象に含まれており、戸建住宅とは別の補助額が設定されています。
ただし、窓は共用部分として扱われることが多く、管理規約によって工事の可否や条件が定められています。内窓は専有部分側に設置するため認められるケースもありますが、事前に管理組合へ確認しましょう。
賃貸住宅でも使えますか?
賃貸住宅の場合は、建物の所有者の承諾が前提となります。入居者が独自に判断して工事を進めることはできません。
オーナーや管理会社へ相談したうえで検討しましょう。
1部屋だけでも申請できますか?
補助額は窓1か所ごとに計算されますが、申請には補助額の合計が5万円以上であることが要件とされています。
内窓の補助額は、小サイズのS区分で2万2,000円、中サイズで3万4,000円などとなっており、1か所の工事だけでは5万円に届かないケースがあります。複数の窓をまとめて工事する、ガラス交換など別の工事と組み合わせるといった方法で要件を満たせる場合があるため、施工会社に相談してみましょう。
内窓と外窓交換はどちらがよいですか?
目的と住まいの条件によって異なります。内窓は既存の窓を残したまま設置できるため、工事の負担が比較的小さい方法です。
一方、外窓交換は既存のサッシごと入れ替えるため、見た目や開閉のしやすさを含めて改善できます。工事の規模と費用、補助額を比較して検討しましょう。
結露は改善しますか?
内窓を設置すると、既存の窓との間に空気層ができるため、室内側の窓面の温度が下がりにくくなります。その結果、結露が発生しにくくなることが期待できます。
ただし、室内の湿度や換気の状況によっては、結露が完全になくなるとは限りません。
どの窓から設置するのが効果的ですか?
一般的には、面積が大きく、長時間過ごす部屋の窓から検討されることが多いといえます。補助額もサイズが大きいほど高く設定されています。
住まいの断熱状況によって優先順位は変わるため、現地を確認できる施工会社に相談することをおすすめします。
内窓の補助金のまとめ
2026年の内窓設置では、先進的窓リノベ2026事業を利用できます。
- 補助額は1か所2万2,000円~14万円
戸建住宅の場合の金額です。性能区分と窓の大きさの組み合わせで決まり、集合住宅ではこれより高く設定されています。 - 申請には補助額の合計5万円以上が必要
1か所だけでは届かない場合があるため、複数の窓や他の工事とあわせて検討しましょう。 - 性能区分はP(SS)とS
P(SS)はUw値1.1以下、SはUw値1.5以下が基準とされています。 - 設置場所に条件がある
既存の外窓から屋内側へ50cm以内に平行に設置するものが対象です。 - 1戸あたりの上限は100万円
複数の窓や、ガラス交換・外窓交換と組み合わせて申請できます。
補助を受けるうえで見落としやすいのが、製品の性能区分と依頼先の登録状況です。同じ大きさの窓でも区分によって補助額が大きく変わり、また窓リノベ事業者として登録を受けた施工会社でなければ申請できません。
予算の上限に達した時点で受付が終了する点にも注意が必要です。工事の時期を検討している場合は、余裕をもって情報を集めておくとよいでしょう。
制度の要件や補助額は変更される場合があります。契約・着工の前に、先進的窓リノベ2026事業の公式サイトで最新情報を確認してください。
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記事内の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく参考情報です。制度の要件や補助額、受付状況は変更される場合があります。契約や着工の前に、必ず住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトで最新情報をご確認ください。
